昨日は子供の日。今日はオヤジの日。
忘れもしない。定職に就かずブラブラ二十歳の頃、定年前の親父が一人暮らしのアパートに突然やって来た。何をするわけでもなく何を語るわけでもなくお茶だけ飲んで1時間もせず帰った。その時はただ寄っただけかと思ったがついこの間あの真相がわかった。息子がどんな所に住んでいたかを確認するために一人で足を運んだと。四の五の言うお袋と違い親父は昔から遠くで見守る感じ。叩かれたことはない。しかし僕が数年前、親父の胸ぐらをつかんだことがある。今思い出しても僕自身辛い。酔っぱらった親父にいい加減にしてくれという衝動で。つかんだ時、親父は優しく弱々しい目をしていた。間近でその目を見て涙が止まらなかった。それを見ていた母が後で「どんなに酔っぱらったお父さんでも子供がする事ではない」と。母のこの言葉は応えた。僕もそう思う。でも、というか、だからこそ親父の酒癖を今でもなんとかしようと考えている。一生あの酒癖と付き合ってやる。それであの罪滅ぼしが少しはできたらと。酒癖を取れば満点の親父。でもその酒癖に向き合える喜びも感じる昨今。今まで世話になった分を今返しているっていうか・・・、そんな喜びを。今僕にとって親父、それは目の前に存在する親友。65歳。長生きを切に願う。
3年前に書いたモノです。