他言熟考。
■『会社を一つの考え方でまとめてはいけない。』
HONDA初代社長、本田宗一郎氏の持論。流石は先代である。今、この国は政治家も社長も役所も、二世だらけ。親父の光、家柄の地盤で、上に登る、のさばる人間が増えてきた。世襲のすべてを否定しないが、親父を批判し親父の欠点を暴くくらいの熱意がないとその家族には発展はないよ。僕なんて、20代は毎晩親父とケンカしていたよ。「でも、好きだ」、それが男子たる親子だと。さて、この本田さんの言葉。この言葉、実は自己否定で産み出されたのである。本田率いる本田技研で20年以上前、エンジンを水冷か空冷で大論争になる。公害規定からも考え、水冷でなければならないと考えたのが、当時の若手技術者、久米と川本。どちらも将来、社長になる。本田がスパナでぶん殴るなどの暴走、論争後、結局、本田の考えではない「水冷」となる。この時、空冷にしていたら今の本田技研はなかっただろうともいわれる。この若手の反乱が会社の発展を生産した。人間皆、完璧ではない。だからこそ、偉い人も自分は駄目だと控えめな人も、議論することが重要なのだ。そして、批判精神、反骨精神が大切。そして。批判をしっかり受け入れ、耳を傾けることも重要。批判することで人間の真意がわかるのではなく、批判されたときにその人のホンモノが試されるのである。
■『だったら林田よ、組織がバラバラでもいいの?
会社の考えがまとまらなくなったらどうするの?』
読者からの、他者からの、言葉が聞こえてくる。今日から新コーナーです。この「他言熟考」。正に他者の言葉から熟読ならぬ、熟考してゆく。確かに熟して時間をかけて今書いてます。一本を書くのに、3時間かかりました。思考しながら書いてます。「点声慎吾」の「他者の言葉バージョンから考察」ってな感じですな。さて。初めの言葉。うん、うん、だからこそ、組織の長は一旦決めるまでに議論を尽くし、意見を出してもらい、トップの責任の元に決断してゆくのです。反対の意見にも耳を傾けながら。そして、実行してゆくのちにチェック機能をしっかり働かせる、また、リニューアルにも臆せず。組織においてもっとも頂けないのは「意見を言い合って摩擦があることではなく、一人一人の内側にある思いや苦悩を外に吐き出せないこと」だと思う。時間をかけることにも臆せずに。
■『あの頃の思いを考えたら、今の悩みは何でもないよ』。
昨夜、同級生でお笹馴染みの「ロイ」に10年ぶりに会い、呑みました。後輩経営する「季楽」にて。4歳の子供連れで×一。県外で結婚して離婚。日向に帰って来て今、市営住宅で母子家庭手当をもらいながら自分で働く収入とで暮らしている。別れた旦那とは付き合っている頃から暴力を受けていた。結婚し、女癖の悪さ、ギャンブル狂などで離婚を決意。自分で離婚手続きや離婚後のもろもろをネットで調べ、町が行った安かな法律相談で弁護士さんに相談。自分でしっかり行動し、やっとこせの協議離婚。離婚後、実家に帰り、再就職して今は子供と二人暮らし。「再婚、結婚はもうこりごり」と。でも、「私にそんな人が訪れるかなぁ~」とも。彼女の持ち前は明るさ。昔から知っているこの親友に僕は憧れ、どれだけ助けられたか・・。そして、彼女は「自分で行動するしか道は開けない」という事をこの離婚で学んだという。今振り返ってもやはり、暴力を受けていた頃がもっとも辛かったと。それが上の言葉の「あの頃」。そして、「なんでそんな奴と結婚したのか?」と聞く僕に「ホント、何でやろうね・・・・」と自己に聞いていた。いろいろある人生、失敗を自分で反省できるなら素晴らしい。でも、その原因は結構、自分でもよくわからないものですね。そんな友人の希望は「子供の思う道をしっかりサポートしてゆくこと」だそうです。国の母子家庭手当がしっかり機能している例でもある。
■『酢豚のパイナップルって、ありえねぇ~んだよねぇ~。』
この間、ジョイフルで一人飲んでいたら、隣の男女4人、20歳前半の男が言っていた。それに呼応する3人でもなく、メールをしながら飯を食っていた。酢豚の具批判をしていた彼は、なんとびっくりハンバーグを食べてました。「関係ないじゃん・・」っと突っ込みそうだったが。もともとジョイフルに酢豚ってメニューにないし。どんな会話で友人と外食しているのか・・・。まぁ、メールをしていて会話になってないがね。今、現代の若者の会話、重い話や真剣な話ができなくなったのか・・・。そんな彼らに「新聞を読め」とまでは言わないが、「人と飯食っている時くらい、携帯イジルの辞めろよ」と言ってやりたい。先日、「ひょっとこの湯」の玄関で8人くらいでたむろしていた未成年が例の如くタバコを吸ってました。僕はボス格の奴に向き合い「お前は何歳か?」「17」と。「タバコはいかんぞ、自分のためぞ、いいな」と。なぜか彼は嬉しそうに小さく頷いてくれました。また、どっこでタバコを吸っているでしょうが、いいんです、たまに君に関わる叱るおっさんがこの社会に居ることを忘れないで欲しい。そしてジョイフル。酢豚に何が入っていようと、ハンバーグ食っている奴にはどうもいい。でも、そんなこんなでも何でもいい、現代人よ、大人たちよ、もっと会話をしようぜ。何でもいい、若い奴と関わっていこう。
■『妻を追い込んだ。私も加害者だ。』
2か月前の9月18日、福岡市の公園で小1の富石弘輝君を殺害、逮捕された母親の薫容疑者の夫が朝日新聞のインタビューに答えた時の言葉。数年前から体調を崩した薫容疑者は06年、全身に痛みが走る「線維筋痛症」と診断される。シャワーでも痛みが走ったり、手に力が入らず包丁も持てないなどの症状。一方、弘輝君は4,5歳の頃発達障害があると診断。面白くないと物を投げたり、薫さんにもアザができるくらい暴れた時もあったという。夫は障害がわかる前、弘輝君に手を上げた事があった。それが原因で一度、母子と別居した。また、3人で暮らし始めても、薫さんの体調は良くならず、さらに今年8月ごろから悪化し、自殺未遂も起こしていた。夫が「弘輝のため」にも入院を勧めていた。その矢先の9月18日に事件は起きた。夫は「薫を追い込んだ自分も事件の加害者。接見できたら謝りたい」と。マスコミで流される情報で僕らは世間を知った気になる。この事件を聞いてすぐに「母親が死ねばいいとよ!」って思った僕自身、やはり断片だけの情報でモノを考える、知ったかぶりをするのは頂けない、自戒を込めて。
■3連休中日、ゆっくりモノを考えました。
社会さん、他者さん、友人さん、ありがとうござました。
PM3時半から「ユーワン」です。それでは。